携帯電話買取詐欺(白ロム詐欺)という手口が最近問題になっています。
日本製の携帯電話は故障しにくい、性能が良いということで、詐欺集団から恰好のターゲットにされているのです。
貸金にからむ手口もありますし、単純に「買取します」といって送らせておいて、連絡が途絶えるという手口もあります。
「白ロム詐欺」は、一般に「携帯電話買取詐欺」ともいわれ、主にお金に困窮している人々を狙い撃ちにしています。
この詐欺は、被害者に携帯電話の契約をさせ、契約後のスマートフォンや携帯電話の本体、すなわち白ロムのみを不正に取得するものです。
近年のスマートフォンの価格は高騰しており、一部の高性能な機種では10万円を超えることも。
詐欺師たちは、このような高額なデバイスを複数台、被害者に契約させて不正に手に入れるのが主な手口となっています。
詐欺師が不正に取得した白ロムは、次に中古市場に流通させることが一般的です。
そのため、詐欺師の狙いは、これらのデバイスを中古販売業者に高額で売却し、その利益を得ることにあります。
特に、最新かつ高額なスマートフォンを多数手に入れることができれば、その利益は相当なものになるでしょう。
白ロム詐欺はこのようなやり方です。
ある人が融資を申し込んだら、その人に対し
「審査が通りませんでした。ただ、お金が必要ということでしたら携帯電話の買取をしておりますのでいかがでしょうか?」
と持ち掛けるのです。
「iPhone1台契約して送っていただければ10万円で買い取りますよー」
などの条件を提示して契約した携帯を送らせ、あとは連絡が取れない状態にするというものです。
まったく振り込まれないこともありますし、ほんの一部だけ振り込んで安心させ、残額について支払わないということもあります。
また、本人確認のためという名目で携帯を契約させ、本体が送付され次第融資します、ということもあります。
もちろんこの場合も実際には融資などされないのです。
単に買取業者を名乗っている場合は、普通のブランド買取サイトなどと同じようにネット上で「いらない携帯電話買い取ります」などと宣伝して送らせます。
しかし、先に郵便局の局止めで商品だけ送らせてそこから連絡が取れなくなり、最終的にはサイトも見られなくなるという状況になるのです。
通常、古物商の売買ができるのは古物商免許を持った者だけなので、ネット買取であろうと登録業者なら住所が割れているはずなのですが、違法業者は当然このような登録もしていません。
店舗を持たないネット買取はこのように相手の身元がわからない恐ろしさがあるため、利用する際は登録番号などをきちんと提示している業者を厳選する必要があります。
そして、万一このような被害にあったら、迷わず弁護士、司法書士に相談することをおすすめします。
白ロム詐欺の狙い目は、主に(1)緊急で現金が必要としている人や、(2)銀行の融資やクレジットカードのキャッシングなどが難しい背景を持つ人たちです。
近年、一部の制限がかかってきてはいますが、「実質0円」のキャンペーンを掲げているスマートフォンやタブレットも存在しています。
詐欺師たちは、これらのデバイスの販売戦略や料金プランの特性を巧みに利用し、以下のような言葉で人々を誘導します。
「複数のスマートフォンやタブレットを契約して指定先に送付するだけで、即座に○○万円をお支払いします。もちろん、契約時に支払いが必要な場面もほぼなく、早期に解約手続きを行えば、追加の料金が発生することもありません。完全にリスクフリーですよ。」
この手口で、犠牲者を騙して高額な端末を手に入れるのが、詐欺師たちの狙いです。
指定の場所にスマートフォンを送付してしまうと、多くの場合、詐欺師からの返答は途絶えてしまいます。
たとえば、少しの金額が振り込まれることがあっても、最終的には約束の金額全てを受け取ることは期待できません。
結果として、携帯電話会社との契約だけが残されることになります。
携帯の契約には、(1)通信料に関する契約と、(2)端末購入の分割払いに関する契約の2つが主なものとして存在します。
(1)通信料の契約は、特定の解約料を支払うことで終了できますが、(2)端末の分割払い契約は「クレジット契約」、すなわち「借金」として扱われるため、完済までの支払い義務が生じます。
例えば、1台10万円のスマートフォンを5台契約した場合、合計50万円の債務として扱われることになります。
「騙された」という主張を携帯電話会社に行っても、これは認められるものではありません。
なぜなら、分割払い契約は利用者が直接携帯会社と結んだものであり、その際の説明義務も果たされ、契約者が同意した形跡があるためです。
契約日から8日間の間はクーリングオフ制度を利用して解約することも可能ですが、既に端末を送付してしまった場合、この手段を取ることは難しいでしょう。
端末の支払いを怠ると、クレジットの信用情報に影響が出るリスクがあるので注意が必要です。この「ブラック情報」は一度記録されると、5年間は残ることとなります。
「すぐ解約すれば大丈夫」といった誘導には、絶対に乗らないよう心掛けましょう。
警視庁の白ロム詐欺行為に対する注意喚起
白ロム詐欺の被害者は、同時に携帯電話会社との間での契約不履行者、すなわち一種の加害者として見られることがあります。
「携帯電話不正利用防止法」とは、携帯電話の取引や使用に関する法律で、契約者が自身の携帯電話を親族以外の者へ譲渡する際には、その事前に携帯電話会社の許可を取る必要があると規定しています。
この法律は、携帯電話の不正使用を未然に防ぐことを目的としています。
「白ロム詐欺」においては、SIMカードが取り外された状態の携帯電話を譲渡するため、上記の法律には直接違反しないように思えます。
ただし、無意味に携帯電話を契約し、その後の料金の支払い意図がなく、さらに他者への譲渡を目的とする行為は、携帯会社を騙す詐欺行為として判断される可能性があります。
このような行動は携帯電話会社に対する詐欺として立件される恐れがあり、警察の対応対象となるため、無闇にこのような行為に関与しないよう注意が必要です。
多くの弁護士は、「直接警察や携帯店に訴える前に、先に弁護士や司法書士に法的アドバイスを受けるべきだ」と提言しています。
その背景には、被害者が一人で「詐欺に遭った」「脅迫された」と主張しても、警察がその言い分を受け入れるのは難しいためです。
この結果、携帯電話会社からの被害届けによって、逮捕のリスクが生じる可能性があるからです。
弁護士や司法書士への相談が、必ずしもすべての問題を解決するわけではありません。
例えば、闇金や一部の消費者金融からの借入れについては、弁護士や司法書士の協力を得て解決の道が開かれることもあります。
しかし、携帯電話会社との正当な分割購入契約は、利用者の承諾の下で正式に結ばれたものです。
そのため、これを無効にすることは一般的には困難です。
ただし、返済が難しい状況にある場合、弁護士や司法書士を通じて「債務整理」を検討することは可能です。
一部の債務を減少させたり、返済期間を伸ばす交渉が行えることもあります。
詐欺被害によって返済が困難な場合、専門家に相談する価値はあります。
スマホ数台の代金が支払い困難な場合、任意整理を活用して支払いを軽減する手段が考えられます。
さらに、一部の違約金やその他の料金が免除されることも考えられます。
任意整理を選択する利点として、手続きが会社や家族に知られることなく、秘密裏に進められる点が挙げられます。
ただし、過度に苦しい状況になった際は、信頼できる身近な人に相談することも大切です。
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